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みしやそれとも

考証―紫式部の生涯
書名かな みしやそれとも こうしょう―むらさきしきぶのしょうがい
著者(編者)名 上原作和 著
著者(編者)名かな うえはらさくかず
ISBNコード 978-4-8386-1017-4
本体価格 4,000円
税込価格 4,400円
判型 A5判並製カバー装
頁数 426頁
刊行日 2024年11月1日
在庫 有り

著者の半生を賭けた紫式部研究の全貌なる

2024年、満を持して主要学説を網羅的に検証した「諸説総覧」を収録。『源氏物語』出家作法の思想史、宇治十帖の暦象想像力などを文理融合の分析方法で検証した一書。



第一部 諸説総覧 紫式部伝
  
諸説総覧 紫式部伝

第二部 紫式部伝 論攷編Ⅰ
 
第一章 ある紫式部伝―本名・藤原香子説再評価のために
  はじめに
  一 藤原香子伝の再検討 付・紀時文伝の再検討
  二 紫式部と彼女をめぐる男たち
  三 紫式部像の変貌
 第二章 宇治十帖と作者・紫式部
     ―「出家作法」揺籃期の精神史
  はじめに
  一 紫式部伝の前提
  二 宇治十帖研究の課題
  三 具平親王、源倫子と紫式部の関係
  四 宇治十帖の成立
  五 出家作法の正編と続編
  六 紫式部は「臨終出家」であったか
 第三章 紫式部の生涯
     ―『紫式部日記』『紫式部集』との関わりにおいて
  はじめに
  一 紫式部の幼名は「もも」、
    晩春三月三日の生まれである
  二 紫式部と「命婦」「掌侍」
  三 内裏女房と中宮女房は、適宜、入れ替わり可能である
  四 死に向かう人生史としての『紫式部集』
  五 紫式部の没年月を絞り込む
 第四章 「藤式部」亡き桃花の宴
     ―西本願寺本兼盛集附載逸名歌集注解攷
  はじめに
  一 大原野行幸歌群
  二 石清水臨時祭歌群
  三 花薄歌群
  四 桃の歌群
  むすびに
 第五章 『紫式部日記絵詞』人物注記の方法
     ―日記承継者は幼少女性親族か
  はじめに
  一 『紫式部日記絵詞』の割注(分注)
  二 黒川本紫日記の人物注記
  三 叙爵に際しての人名注記
  四 実名注記のジェンダーバイアス
  五 現存『紫式部日記』と式子内親王月次絵
  むすびに
 第六章 『源氏物語』の作者・紫式部の楽才
  はじめに―紫式部楽才の基底
  一 問題提起
    ―山田孝雄『源氏物語之音楽』(一九三四年)の意味
  二 『源氏物語』の前史と時代背景
  三 琴は礼楽思想を体現する
  四 紫式部の楽才と知―『源氏物語』引用楽書一覧
  五 平安時代までに請来が確認できる琴曲
  むすびに―紫式部の楽才の内実

第三部 『源氏物語』と暦象想像力 論攷編Ⅱ
 
第一章 「入る日を返す撥こそありけれ」
     ―徳川本『源氏物語絵巻』「橋姫」巻瞥見
  はじめに
  一 「橋姫」巻本文の諸相
  二 楽器の相承と姫君達の衣裳
  三 『教訓抄』と蘭陵王
  四 徳川本『源氏物語絵詞』橋姫精読
  五 舞楽「陵王」と『源氏物語』の時代
  むすびに―「人生の不可逆性」の物語
 第二章 中世源氏学の「准用」を疑う
  はじめに
  一 中世源氏学の展開―『こかのしらべ』の注釈史
  二 「山の端近き心地する」八宮と薫
    ―「椎本」巻の語りと暦象想像力
  三 時間軸から薫の仰角を測定する
  四 注釈史を俯瞰する
  むすびに
 第三章 「ついたちごろのゆふづくよ」の詩学
     ―桃園文庫本「浮舟」巻別註と木下宗連書入本
  一 前提
    ―いわゆる大島本『源氏物語』「浮舟」巻は
     桃園文庫に現存する
  二 書誌と傳來―木下宗連書入転写本
  三 「ついたちごろのゆふづくよ」の諸問題
  四 『源氏物語』の暦日表象―そして「有明けの月」
  五 大島本『源氏物語』「ゆふづくよ」の詩学
  むすびに

附 篇
 
附篇Ⅰ 一 紫式部と清少納言、道綱母の家
     二 『源氏物語』ふたつの閏月
     三 望月の歌と紫式部
     四 黒川本『紫日記』の本文校訂史
     五 定家本「若紫」出現と誤伝の弊害
 附篇Ⅱ 六 結核文学の系譜
       ―堀辰雄『伊勢物語など』と池田亀鑑、
        そして紫の上
 附篇Ⅲ 七 『夢の通ひ路物語』散逸部断簡の出現

初出一覧
跋―『源氏の物語』を伝えた人々
『みしやそれとも 考証―紫式部の生涯』を読むための人物誌
源氏物語・紫式部年表


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